国際自動車株式会社
代表取締役 西川 洋志 様
国際自動車株式会社は、2020 年に創業 100 周年を迎える都内最大手のタクシー・ハイヤー・バスを中心とした旅客運送事業の総合企業。
「お客様の笑顔を私たちの喜びとして」という理念を掲げ、創業からの原点を大切にしながら、心を豊かで潤いのある社会づくりに貢献する「km ブランド」を守り成長させ続けている。
CONTENTS
【第一話】コミュニケーションに大切なこと 時を刻む社長の言葉 ~国際自動車株式会社 西川洋志社長~
【第二話】これまでのビジネスとサービス 時を刻む社長の言葉 ~国際自動車株式会社 西川洋志社長~
【第三話】大切にしている言葉 時を刻む社長の言葉 ~国際自動車株式会社 西川洋志社長~
勤続47年を迎える代表取締役西川洋志社長に、「これまでのビジネスとサービス」をインタビューさせていただきました。
2つの苦い節目が今につながっている
ー今回はkmブランドのサービスや展望についてお尋ねします。 1920 年創業の御社は、来年には 100周年を迎えられるんですよね。
今ではタクシー・ハイヤー・バス事業に特化した事業を展開しています。ただ実は、今の弊社があるのは大きな二つの節目があったからなんです。
ー決して順風満帆ではなかったんですね。まず、1つ目の節目はいつだったんでしょうか。
バブル期までは、オーナー企業で多角化経営でした。ハワイ・オーストラリアにはホテル、ショッピングセンターにも投資をしていました。赤坂にもツインタワービルがあったり、全部で20数棟のビルをもってたんじゃないでしょうか。ゴルフ場もつくりました。
初めは良かったんですが、金利の上昇もあって、さらにバブルが崩壊した。そこで 2004年に経営危機が訪れて3事業にしぼりました。kmのネームバリューがあったからこそ、この再スタートができたと思っています。
ーなるほど。会社としても大きな決断ですね。それからさらに、2つ目の節目を迎えるんですね。
国交省からコンプライアンス違反を指摘され、321 台のタクシーが営業取り消し処分を受けました。 働き方は昨今も話題になっていますが、その頃、業界における長い間の慣習と甘い考えがあり、社内では労働時間の管理が行き届いていない部分がありました。そこに調査が入って、321台のタクシーが一瞬で無くなりました。一緒に会社も無くなるんじゃないかという大事件でした。
タクシーを失ったと同時に職を失った従業員のために、他のタクシー会社に雇ってくれるよう頼んだこともありました。経営理念も見直そう、その節目になったのもこの時でした。
お客様だけでなく、社員にも喜んでもらえるサービスじゃないと意味がない
ーそんな2つ節目を乗り越えて、今があるんですね。タクシーにおける環境も大きく変わり、今はアプリでタクシーを呼ぶことが主流になりつつある中で、“フルクル”といった新しいサービスも展開されていると伺いました。
“フルクル”は、スマホを振るだけで近くにいる km タクシーを呼べるアプリです。迎車料金は不要、お客様とタクシーをゆるくつないでくれます。ドライバーから需要の見える化を図り、顧客からは車両の見える化が図られます。効率的に働けるよう、新しいシステムを作りました。お客様にはもちろんですが、社員にとっても会社にとっても嬉しいサービスなんです。
ー社員の方にも!
一番喜んでいるのは、若い新入社員世代ですね。
お客様の見える化をしたんですよ。特にドライバーとして経験が浅いうちは、路地に入ってしまったらお客様がどこにいるか分からないんですが、これを使えば一目瞭然です。
仕事を上手にできるようにするのが我々の仕事で、社員に喜んでもらえないと意味が無いと思っています。お客様だけに偏らないことが重要です。
こういうサービスを商品化することで、社員が働きやすくなること。今、働き改革の時代であり、限られた時間の中で社員が働きやすい環境を作る。それが結果的に会社の売り上げにもつながっています。
ー「お役様だけではなく社員も喜ぶサービス」を追求し続ける西川社長。
次回は「大切な言葉」をテーマにお話を伺います。
辛い節目を経験した西川社長だからこそ『言葉』に重みがあり、
その言葉には、感情や想いがのって伝わります。
世代や役職問わず役に立つ「伝え方」を向上させて、声で未来を変えてみませんか?