国際自動車株式会社
代表取締役 西川 洋志 様
国際自動車株式会社は、2020 年に創業 100 周年を迎える都内最大手のタクシー・ハイヤー・バスを中心とした旅客運送事業の総合企業。
「お客様の笑顔を私たちの喜びとして」という理念を掲げ、創業からの原点を大切にしながら、心を豊かで潤いのある社会づくりに貢献する「km ブランド」を守り成長させ続けている。
CONTENTS
【第一話】コミュニケーションに大切なこと 時を刻む社長の言葉 ~国際自動車株式会社 西川洋志社長~
【第二話】これまでのビジネスとサービス 時を刻む社長の言葉 ~国際自動車株式会社 西川洋志社長~
【第三話】大切にしている言葉 時を刻む社長の言葉 ~国際自動車株式会社 西川洋志社長~
勤続47年を迎える代表取締役 西川洋志社長に、「コミュニケーションに大切なこと」をインタビューさせていただきました。
タクシードライバーは困っている人を助ける、誇り高い仕事。
社員だけでなく一人一人向き合い伝えていく
ーホスピタリティをモットーとして会社を経営される中で、コミュニケーションについて大切にされていることがあれば教えてください。
タクシードライバーにも、いろんな立場の方がいます。
若い人もいればタクシー業界一筋で働いてきた人もいる。稼ぎたい人もいれば、自分のペースで働きたい人もいます。いろんな立場の人がいることを意識して、ちゃんとひとりひとりに向き合うようにしています。
ちなみに、タクシードライバーのイメージって、どうですか。 3K(きつい、汚い、危険)というイメージがどうしてもあったんですね。バブル時代は、接待に溢れていた世の中です。 タクシー側がお客様を選択できるくらい、乗りたいお客様で溢れていました。だからタクシーもやりたい放題、わがままな営業をしていたんですよ。 そんな傲慢なイメージがついてしまって、それがちょうど今の大学生の親世代でもあります。内定を出しても、大学のキャリアの先生が内定取り消しの連絡をしてきました。
このままではダメだと、直接大学を回りました。100校くらい回ったんじゃないでしょうか。 そうして足を運んで、タクシーは社会貢献性の高い仕事だということを力説して理解してもらえるようになって、逆に今では私たちの会社や研修センターに来てくれるようになりました。
そもそも、タクシーに乗るときってどんな時ですか。急いでいる時、雨が降っている時、荷物が多い時、終電を逃したとき…そう、困っているときなんですよ。
その困ったお客様をお助けさせていただく仕事が“タクシーの仕事”なんです。
タクシードライバーは誇り高い仕事だということをもっと伝えていきたいと考えています。
それぞれの立場が違うから、ひとりひとりをみること。そのための方法は変えていく。
ー今では大学でもよく講演に呼ばれていらっしゃると伺いましたが、新卒採用を始めたきっかけはあったんでしょうか。
新卒採用を始めたのは 2010 年で、タクシー業界としては異例の取り組みでした。
異業種から転職して来た役員が、提案をしてくれたのですが、会社としてもコンプライアンス違反を受けた直後というタイミングでした。私も初めはびっくりしました、というか初めは反対しました、「できるわけない」と。中途採用が業界の常識で、 ドライバーを新卒で採用するなんてあり得ませんでした。
ただ、このままだとドライバーは集まらないだろうなという危機感はありました。人が変わっても中身は変わらない、 毎年同じことをする、マンネリ化したサイクルが当たり前になっていました。それで、彼と私で2人で一緒にやってみることになったんです。
試しにやってみたら、初めての年に1人、翌年には4人来て、次の年に10人、その翌年には43人来てくれました。 そこで手応えを感じ始めました。”希望の業種に行けなかった” 学生が多かった時代の流れもありました。そんな学生に力を貸してほしいと説明しました。ここ5年は100名を超える新卒タクシードライバーをコンスタントに採用できるようになりました。
新卒採用の面接では、普通の一問一答の面接では、なかなかその人の人柄は出てきません。
コミュニケーションを重視している会社だから、採用面接も変えました。若い社員がファシリテーターをして、学生が社員に質問をするスタイルを取り入れています。そうして学生にもkmの役員はどんな人達なのかを見てもらいます。
あと、履歴書は出さなくても面接をします。採用が決まったら出してもらえば大丈夫です。
過去には他に出した履歴書が送られてきたこともあって、さずがにそれには驚きました。でも、落としたりはしていません。
履歴書って、どの会社でも内容は一緒でしょう。うちは人柄を見させていただくので、関係ないんですよ。
私たちの役割は意見をすくい上げること
ー履歴書を最後に出すって、初めて聞きました。採用方法にも、すごくユニークな名前がついてますよね。
“スッポンポン採用”や”仮面採用”と名付けて採用をしています。このアイデアも、入社したばかりの若い世代の方が出してくれたんです。そんな方法、私たちでは思いつかないでしょう。一緒に仕事していて楽しいですから、学生や若い人たちもやる気になってくれます。
その熱が、学生にも伝わる。実際、合同説明会でもブースには人が溢れています。人が多すぎて、時には怒られるくらいです。自分たちは、そういう若い人たちの意見をすくい上げる役割があります。
ー「ひとりひとりと向き合うこと」を常に心掛けている西川社長。
次回は「これまでのビジネスとサービス」をテーマにお話を伺います。
自分の仕事に誇りを持ち、それを多くの人に伝えたいという想いが
『話し方』『コミュニケーション』からひしひしと伝わってきます。
ビジネスでも、プライベートでも活かすことができる
「コミュニケーション力」を向上させて、声で未来を変えてみませんか?